発育過程と合った一貫指導 幼児期 小学校高学年
- 小学校高学年
- 以前に獲得した運動神経系の構成要因から新しい運動形態を組み立て『疎通』の状態をつくります。すなわち神経系統の近道をつくるのです。
- この年代こそがどんな技術でも驚くほど早く吸収する能力を持っており、どのような技術でもスピードやプレッシャーのともなわない状況なら完璧に行うことが可能になる。
- 良い判断が大事なこと、そのための体の向き、視野の確保、そして周りを見て読むことなどの基本的なこともこの年代から学びます。
- 筋力トレーニングは、男性ホルモンが分泌され速筋繊維の発達が促される時期からで十分であり、それよりさまざまな技術を習得させる方が将来的に有効。
- 持久力はスモールサイドゲームで十分。
- スピード/アジリティは必要です。特に細かいステップや反転あるいはすばやい反応の運動が効果的である。
- モチベーション面では、好きで楽しくて自ら打ち込むよう促すことが大事で、コーチが怖いから、また、お母さんが喜ぶから頑張ることにならないよう注意する。
- ポイントをさす言葉
- 「見た運動をただちに真似ることができる」
- 「良いプレーを多く見せることが大事」
- 「これができればあれができるようになるよ」
- 「疲労した状態では神経系は成長しない」
- 「褒めることが最高の動機」
- 「一人一人に声をかける」
- 「限界に挑戦するような練習は不要」
- 「細かいステップ走、反射、反転を含むシュートダッシュなど効果的」
- スキル獲得の『ゴールデンエイジ』
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年代に合った指導
- 習得形態は、@粗形態の形成→A修正・精錬→B定着→C変化条件への適応
- (スピードとプレッシャーの中での対応)、という順序をとる。
- スポーツである以上勝敗というのは非常に重要なことであり、また子供たち自身の勝つことの喜び、勝ちたい気持がサッカーに対するモチベーションを支えていることも確かです。しかし指導者は「それがすべてではない」ということを常に念頭に置かねばなりません。勝敗を競うことは「最終目的」ではなく、育成のための非常に重要な「手段」なのです。
- 各々の成長過程における「基本」とは何か、そのチームの指導者、中学生以下では場合によって両親もよく確認し合い、認識することが選手のためになり大事なことです。
出所・参考
小野 剛著「クリエイティブ サッカー・コーチング」(大修館書店)
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