発育過程と合った一貫指導 中学生
- 中学生/ジュニアユース
- 2回目の発育急進期。骨格の成長は支点と力点の距離を狂わせ今まで出来ていたことができなくなったりすることもある。このぎこちなさのことを『クラムジー』という。また個人差の著しい時期で、ゴールデンエイジの子と思春期に入った子が混在し指導の難しい時期でもある。
- 複雑な技能を多種多様に新たに習得するには適さない。すなわちこれまでに習得した技術の質を高めることに重点を置く。また速筋繊維の発達の時期であり、より早くより厳しい状況の中で実践的で精度の高い技の習得を要求してよい。
- 精神的にも不安定な時期。より積極的に選手の内面に働きかけることが大事。
- この時期は筋力トレーニングは軟骨や筋・腱の付着部に負担、持久力トレーニングでは速筋繊維が育たない。すなわちスピード、反応の速さ、反転の速さ、混戦の中でのボディバランスの発達に重点を置く。速筋繊維を育てるには疲労の回復、リフレッシュを待っての練習が効果的。
- 上手くなりたいというモチベーションを高めてあげれば一人で練習に取り組む時期。精度を求める技術の反復練習や持久力のためのランニングなど時間の必要な練習を自らの発意させることは非常に重要である。
- ポイント
- 「1年生はボール拾いにランニングでは非常にもったいない」
- 「同じ練習でも個人の発達過程に合わせた指導が大事」
- 「一人のコーチに14人」
- 「スモールサイドゲームと100%のファイト」
- 「細かいステップ走、反射、反転を含むシュートダッシュなど効果的」
- 「持久力トレーニングはスモールサイドゲームの中で」
- 『クラムジー』の時期
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年代に合った指導
- 習得形態は、@粗形態の形成→A修正・精錬→B定着→C変化条件への適応
- (スピードとプレッシャーの中での対応)、という順序をとる。
- スポーツである以上勝敗というのは非常に重要なことであり、また子供たち自身の勝つことの喜び、勝ちたい気持がサッカーに対するモチベーションを支えていることも確かです。しかし指導者は「それがすべてではない」ということを常に念頭に置かねばなりません。勝敗を競うことは「最終目的」ではなく、育成のための非常に重要な「手段」なのです。
- 各々の成長過程における「基本」とは何か、そのチームの指導者、中学生以下では場合によって両親もよく確認し合い、認識することが選手のためになり大事なことです。
出所・参考
小野 剛著「クリエイティブ サッカー・コーチング」(大修館書店)
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