子ども自身の夢

あなたの夢ではありません
自分の子どもに大きな期待をしてしま
うのは誰でも当たり前です。
また、自分にできなかった夢を託して
しまうようなこともあります。
自分が苦労したから、自分のようにな
ってほしくないから、せめて子どもには
…、といった、子どもを思う気持ちから
かもしれませんが、それでついつい子ど
もにプレッシャーをかけてしまうことも
あります。
「身代わりアスリート」という言葉が
あります。
自分が果たせなかった夢を子どもに託
し、過度に期待するあまり、子どもにプ
レッシャーをかけてしまうことを指しま
す。その結果、子どもは親を喜ばせるた
め、親をがっかりさせないために、プレ
ーするようになってしまうのです。
しかし、子どもには子どもの夢があり
ます。
周囲から期待をされることは、大きな
励みにもなります。期待されなければ、
がんばる気持ちも起きなくなってしまう
かもしれません。
でも、「期待にこたえる」ことを目標
にしてしまうと、子どもは時としてつら
くなります。自信満々がんばれるときは、
周囲の期待は力となるでしょう。しかし、
往々にして、過度の期待はプレッシャー
になります。自分に期待される像と、現
実の自分とのギャップに苦しむことにな
ります。
元気に熱中している子どもたちにも、
気持ちに波はあります。時には「やりた
くない」「休みたい」と思うこともあり
ます。それをなかなか言い出せずに悩ん
で無理する子どもも多いのです。子ども
が大人の期待や気持ちを思って無理をす
ることは、お互いのために良いことでは
ありません。
気持ちが弱っているときに励ますこと
は大切です。少しがんばって乗り越える
ことも大切です。しかし、無理がひずみ
となり、結局ドロップアウト※につなが
るようなことになっては残念です。
余裕を持って見てあげてください。ま
たやりたくなるまで休んでもいい。他に
やりたいことができたらやってみてもい
い。他のことと一緒にやっていてもいい。
戻ってきたくなったら戻ってくればい
い。そこで休むことは、罪悪感を感じる
ようなことではありません。
最終的に楽しく長く続けていけること
が大切です。
生涯サッカーを楽しみかかわり続ける
人を増やしたい。それは私たちの大きな
願いです。
※いやになって途中でやめてしまうこと